研究課題/領域番号 |
22653104
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研究機関 | 滋賀短期大学 |
研究代表者 |
荻田 純久 滋賀短期大学, 幼児教育保育学科, 教授 (50369617)
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キーワード | 働く女性 / メンタルヘルス / ママ友 / 認定こども園 / 保護者支援 / 子育て支援 |
研究概要 |
平成23年度は「ママ友ストレス尺度」を作成することが最大の課題であった。当初は、文献研究を行い、その結果を踏まえて尺度項目の草案を作成しようと考えていた。しかし、文献研究だけではなく、認定こども園の現状を可能な限り把握し、その上で尺度項目の草案を作成することとなった。 地域の異なる公立、私立の認定こども園を3園選び、それぞれの園長、主任にインタビューを依頼した。インタビューの内容は認定こども園設立までの経緯、園児数、保護者の行事参加、保護者同士のコミュニケーションを中心としたものであった。私立A認定こども園は、認定こども園になる前は規模の小さな園であり、保護者同士も顔見知りで家庭的な雰囲気があった。しかし認定こども園となり、規模が拡大されてから保護者はいくつかのグループに分かれ、保護者同士のコミュニケーションは、グループ内に限定されるようになった。私立B認定こども園がある地域は人口が増加傾向にあり、同じく園児数も増加傾向にある。認定こども園になる前は、行事や降園時に保護者同士が挨拶を交わしたりすることが多かった。認定こども園になってからも短時間保育、長時間保育にかかわらず、こどもを介した保護者同士のコミュニケーションがみられる。公立C認定こども園では、短時間保育の降園後、園庭開放を行い、意図的に保護者同士のコミュニケーションの場を設けている。結果として親同士のコミュニケーションが活発になっている。また開園3年目になり、短時間保育、長時間保育の保護者の距離が近くなってきている(安井ら2012)。 こうしたインタビューの結果、「ママ友」は幼稚園に限定されるものではなく、認定こども園においてもみられる可能性があることが確認された。こうした結果を踏まえ、また子育て支援は、親が人間として成長できるような支援でもあることを念頭におき、尺度作成を行った。現在、データ収集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
可能な限り保育現場の現状を把握した上で「ママ友ストレス尺度」を作成するため、いくつかの認定こども園の園長、主任を対象としたインタビュー調査を行うことにした。インタビュー調査後、幼稚園、保育所、認定こども園における子育て支援に関する先行研究を踏まえた上で今後の課題について考察を行った。そのため、予定よりもやや遅れた状態になっている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成24年度は、調査データを分析し、その結果を論文等に投稿していく。また調査に協力して下さった各園に対しては、何らかの形で結果をフィードバックしていく所存である。
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