研究課題
本年度はESDカレンダーの試作と、モデル授業の考案柱に研究を行った。前者については、小・中学校各学年、各教科・領域での学習事項を一覧表にし、それををESDカレンダーづくりに使えのる形にできるよう試作データを作成、環境共生学会で発表した。後者について、22年度と23年度に附属小学校5年生を対象に行った大豆(家庭科)および米の生産(社会科)の授業の発展系のモデル授業をいくつか検討した。一つは、家庭科における環境負荷低減の観点からの地元食材による食文化教育である。食料自給率低下と環境負荷の問題については社会科や理科の分野で扱われるが,さらに教科横断的に,家庭科の調理実習において体験的にそれらの知識を実生活に結びつけることが可能と考えられる。その好適食材の一つである小麦粉代替用米粉に着目し、小麦粉と比較した教材としての特性を検討し、日本食品化学学会で発表した。また、音楽において、学習者が日々の生活のなかで興味深い音や気になる音などを日記につけることを通して、音の変化から環境の変化に気づかせる学習が一部でなされているが、この学習は音楽にとどまらず、小学校理科教育、環境教育に多彩に応用・発展できるので、附属小学校教諭と授業化について検討した。附属小学校でのモデル授業は日程調整が不備に終わり実現しなかったが、代わりに水戸市内の公立中学校において、「ふしぎな森」と題する授業を行った。これはカナダのある森の、10mの滝の上下で、木の大きさが違うと言う事実に着目し、滝の下で熊が捕獲する「サケの体が栄養となって森の木々の肥料と成っている」という生態系の知識を、過去の学習や経験を駆使して「推論」を働かせながら習得させるものである。この成果は国内のみならず、韓国科学教育学会で発表し好評を得ている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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