<研究の目的> 2012年度は、「気になる」子どもと発達障害児の運動発達の特徴を明らかにするとともに、「気になる」子ども及び発達障害児の運動に関する自己コントロール間を明らかにすることを目的とした。 <研究の方法> ①対象:保育所の4,5歳児混合クラスの幼児。 ②手続き:「ジグザグ・マーカー取り」「ジグザグ・ドリブル」「サッカー・ゲーム」を1セットとする運動発達支援を行い、その後、それらの課題についての幼児の自己評価について聞き取りを行った。 ③研究期間: 2012年5月~2012年2月までの間に5回の運動発達支援と幼児の自己評価に関する測定が行われた。運動発達支援は、宮城県サッカー協会のコーチ3名によって実施され、幼児の自己評価の測定は発達心理学を専攻する大学院生、学部生によって行われた。 <結果と考察> ①「ジグザグ・マーカー取り」「ジグザグ・ドリブル」「サッカー・ゲーム」の運動得点に関しては、発達障害児はマッチング児に比べてその得点が低かった。また、②運動の自己コントロールに関する自己評価得点についても、発達障害児はマッチング児に比べて自己評価が低くなる傾向が認められた。③すなわち、発達障害児は、いわゆる健常児に比べて運動協応を必要とする運動得点においてもそれらに対する自己評価においても低くなる傾向があることが示唆された。これは、前年度行った研究における「気になる」子どもの傾向とは異なっていた。すなわち、「気になる」子どもにおいては、時期とともに運動得点は低下しないものの、自分が行った運動に関する自己コントロール間が次第に低下する傾向があったのとは異なる。
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