研究課題
頂点作用素代数は2次元共形場理論を代数的に取り扱ったものである。2次元共形場理論において重要な問題は、良い性質を持つ新しい2次元共形場理論を構成することである。良い性質(加群がすべて完全可約)を持つと期待される構成法の一つに、既存の良い性質を持つ頂点作用素代数に対して、その自己同型群を使って、固定される場全体のなす部分頂点作用素代数(オービフォルド模型)を考えることである。このオービフォルド模型が良い性質を持つかどうかが大きな問題であり、且つ非常に難しい。特に良い性質を持つものとして格子頂点作用素代数があり、これの位数2のオービフォルド模型の拡張として有名なムーンシャイン頂点作用素代数がある。しかし、格子頂点作用素代数の自己同型(格子の自己同型を誘導したもの)による固定点頂点作用素代数(オービフォールド模型)の一般的な研究はそれまで、格子の位数2の自己同型に対してしか研究できていなかったが、今回は格子の位数3の自己同型に対してもC2有限性を証明した。これにより、位数3のオービフォルド構成など、多くの結果を導くことができる。しかも、位数2と位数3の両方に対して、ムーンシャイン頂点作用素代数の構成が完成できたので、ボーチャーズが予想した整数環上のムーンシャイン頂点作用素代数の存在も証明できた。この結果はプレプリントサーバーに投稿されており、これらの結果は、ドイツ、フランスなどで発表しており、3月の台湾の国際研究集会でもこの結果の拡張を話した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Symmetries, Integrable Systems and Representation
巻: 1 ページ: 319-344
Journal of Algebra
巻: 364 ページ: 88-89