研究概要 |
昨年度に引き続き, PGL(3, Q_p) (pは素数, Q_pはp進体) に付随する2次元ユークリッド的ビルディングの頂点における接錐の不変量δの厳密値を決定することを目標とし, p=2の場合を詳しく考察した. 問題を, ある14次実対称行列を半正値を保って適切に変形する問題として定式化し, これを具体的に決定することを目指してきた. この半正値行列は実施的に9個の未知パラメータ(1変数関数)をもち, うち4個は表現論を使うことによって決定でき, さらに2個は数値計算によって線形関数であることが確かめられた. 昨年度の研究において残り3個のパラメータを決定しようとしたが, いたらなかった. そこで, 今年度は方針を変えて, 表現論が適用できないパラメータはすべて線形関数であると仮定し, 一方, パラメータの変数を2個に増やして, 表現論の適用できるパラメータを改めて決定し直す方向で研究を進めた. 2個のパラメータの間の関係式を決定して, 最終的にはパラメータを1変数関数として決定することを目指している. この研究は, 豊田哲氏(鈴鹿高専)との共同研究である.
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