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2011 年度 実績報告書

ループ空間の幾何学:指数定理へむけて

研究課題

研究課題/領域番号 22654011
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

前田 吉昭  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)

研究分担者 亀谷 幸生  慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70253581)
キーワードループ空間 / チャーンクラス / 特性類 / 無限次元多様体 / 擬微分作用素 / 超弦理論 / ディラック作用素 / 写像空間
研究概要

Atiyah-Wittenによって示唆されたループ空間に対する指数定理は、理論物理学、特に超弦理論での問題を明解に説明するための重要な役割を負うと期待されている。しかしながら、この結果自身は数学としてどのように定式化しそれを肯定的に導くかが全く不明の段階である。本研究の目的は、この数学的定式化に挑戦し、その第一段階として指数定理を表現するループ空間の特性類を擬微分作用素の理論を駆使して構成することである。これにより、今まで知られていない新しい幾何学的不変量の導出や多様体のS^1作用に対するホモロジカル同値性についての判定への応用を目標とする。本研究は、無限次元の幾何学を単なる一般論として構築するのではなく、ループ空間という具体的な対象に対して幾何学と物理学の双方の観点から扱う。そのなかに、擬微分作用素の解析(特に多様体の上の大域理論)が必要であり、いままで代表者が構築してきた多くの結果を応用し、その有効性を試みている。本研究では、昨年度の研究成果に基づき、ソボレフパラメータに付随したリーマン計量を与え、それに従ったリーマン接続とリーマン曲率の公式を具体的に擬微分作用素によって表わす公式を与えた。これをもとに、0次可逆な擬微分作用素のなす無限次元リー群を標準なファイバーとする主バンドルの考察からウォジスキートレースを利用して特性類を定義した。さらに2次特性類(チャーン・サイモンズ不変量)が定義される場合を調べている。特性類の非自明性を示すために、様々な例として、佐々木アインシュタイン多様体についての詳細な計算を行っている。さらに一般の写像空間(一般次元の多様体間の写像空間)や微分同相写像全体の無限次元空間の幾何学へこの手法が有力であるかどうかの探索を始める。これらの研究を進めるために、研究協力者であるボストン大学のSteven Rosenberg氏との研究討論を定期的に行い、現在論文としてまとめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ループ空間での計量、チャーンクラスの設定および非自明性についての検証ができた。また、いくつかの例についての計算、応用もみえてきている。これを様々な専門家との討議で評価を受ける段階にきている。

今後の研究の推進方策

ループ空間でのチャーンクラスおよび2次特性類についての構成がほぼ完成しつつある。この意義を明確にするために、ループ空間以外の無限次元多様体での幾何学的対象でのチャーンクラスの構成を行ってみること、その応用、さらにはディラック作用素の構成、共変理論の構成等を進めていくことで、この理論をさらに発展させることである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Deformation Quantization and Spectral analysis2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Maeda
    • 学会等名
      Anasysis, Geometry and Quantum Field Theory
    • 発表場所
      University of Potsdom(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-30

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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