| 研究概要 |
「研究計画」には(I)相対論的Pauli-Fierz模型(II)相対論的多体のNelson模型の解析を掲げた。
(I) 相対論的PF模型の汎関数積分表示を得ることができた。この表示を応用して,PFハミルトニアンの自己共役性,基底状態の一意性,基底状態の空間的減衰性の評価を行った。概略はRelativistic Pauli-Fierz model, COE Lecture Note(九大)30(2011)145-161にまとめ,現在,詳細を国際誌投稿準備中である。また基底状態の存在は佐々木と共同でOn the ionization energy of semi-relativistic Pauli-Fierz model for a single particle, RIMS Kokyuroku Bessatsu 22 (2010) 25-34にまとめた。
(II) 相対論的多体Nelson模型の解析は連携研究者の佐々木(信州大)と研究を進め,enhanced bindingを2体のとき示した。現在論文を執筆中である。C. Gerard (Orsay), A. Panati (Touon), A. Suzuki(信州大)と共同で擬リーマン多様体上に定義されたNelson模型の基底状態の存在・非存在を示し,また紫外切断除去も行った。『存在』はInfrared problem for the Nelson model with variable coefficients(CMPに出版予定),『非存在』はAbsence of ground state of the Nelson model with variable coefficientsにまとめ国際誌に投稿中である。『紫外切断』はRemoval of the UV cutoff for the Nelson Hamiltonian with variable coefficientsにまとめ投稿準備中である。
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