本研究では無限次に退化した楕円型作用素の準楕円性と磁場付きシュレジンガー作用素のスペクトルの性質を研究する。特にこれら2つの話題の関連を考察することによって新しい結果を導く。具体的にはベクトル場の2乗の和で表される無限次退化楕円型作用素の準楕円性とユークリッド空間の領域で定義された磁場付きシュレジンガー作用素の境界値問題の固有値あるいはスペクトルの下限等の性質の新しい結果を出すのが目的である。本年度は本研究の最終年度で研究の成果といえるものを提出すべき時であったが、代表者は家庭内の状況の変化のため外泊して研究連絡を行うことが不可能な事態になった。従って本研究の研究費は研究連携者の研究連絡のための旅費や、昨年度の研究交流でも利用した研究集会松山キャンプと偏微分方程式姫路研究集会の費用の一部等に使用した。これらの研究によって準楕円性の研究とBoltszman方程式の研究に進展があったと思っている。また裏面の研究発表は連携者の成果である。この研究は退化した楕円型作用素のゼータ関数に関して新たな知見をもたらすものである。最後に代表者はこの研究によって非自己共役な固有値問題についての新しい知見を得た。それを研究成果として発表するつもりである。
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