液体ヘリウム、液体窒素を用いない希釈冷凍機は次世代の希釈冷凍機として、物性測定のみならず、分析機器への応用が期待されている。本研究では、冷凍機分離型の超低振動と超小型化を目指した開発を行った。具体的には、 1.50Kと3Kの異なる2つの冷凍機温度を希釈冷凍機側に移送するための3重管サイフォンの製作を含むヘリウムガス循環システムを構築した。 2.希釈冷凍機クライオスタットの製作に関しては、一体型の希釈冷凍機をモデルに希釈冷凍機の心臓部に当たる連続型とステップ型の熱交換器の製作をはじめ、循環ヘリウム3ガス冷却ライン、50K、3K輻射シールドを製作し、クライオスタット全体の設計製作を完了した。 3.断熱真空のチェックのためのヘリウムリークテストも完了した。 このように、冷凍機分離型希釈冷凍機製作はすべて完了したが、冷却の性能評価までは進めることはできなかった。性能評価は、数か月で可能と考えているが、結果によっては改良をする必要があると考えている。
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