研究概要 |
[研究1]ハイスピード動画の解析による魚群の情報伝達機構の定量的研究 Tu-Toner modelの数値シミュレーションの結果に対してpower spectrumを用いた解析で波の伝搬を捉えることができている.本研究では,この手法を昨年度水族館で撮影したハイビジョン・ハイスピード動画に適用し,burst modeという速い情報伝達機構の性質を定量的に研究した.一方,aggitation modeは魚の曲がりの情報が必要なので,個体識別しなければならない考えていた,ところが,実際に撮影を行うと,屈曲により光の反射が変わるため,外光の条件の良いときには,aggitation modeの伝搬が反射光の伝搬として捉えられることを発見した.そのため,クローズアップ画像での画像解析による各個体の屈曲の定量化をしなくても,aggitation modeの伝達速度の計測が可能であることを示した.昨年度に引き続き佐世保の水族館でハイスピード撮影を実施した.現在,撮影した数多くのショットの中からaggitation modeの解析に適した動画を選び出す作業を行っています.また,系統的で効率的な画像処理,power spectrumや分散関係の計算のための解析システムを作成中である. [研究2]水中カメラ動画による群れの回転曲線と形状の変化の研究 上の撮影と平行して,水中カメラの水族館の底に設置し,真下からのトーラス状のイワシ群れの撮影を行った.このデータから,各個体の群れの中心に対する回転速度を中心からの距離の関数(回転曲線)として求めることを試みている.これと同時に,群れの形を自動計測する解析システムを開発中である.これらの群れの定量的な観測事実を説明する群れのモデルの構築も行っている.
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