研究概要 |
光化学系IIンパク質は光合成反応において光により電荷分離をおこし生体膜の内外に電子-ホールの対をつくることができる。初期電荷分離直後の生体膜間電子移動を量子的からみあい状態(EPR 状態)として量子テレポーテーションの観測を行うことを目的とし装置の製作、試料の作成を行なった。 パルス ESR 法では短時間のマイクロ波パルスを用いることによりそのフーリエ変換成分として周波数幅をもった励起が可能である。他方、ESR 信号の線幅は一般に広くすべての信号範囲を励起することは困難である。 特に Mn^2+を情報送信者とする場合、Mn^2+の ESR 信号線幅は 60mT と広く全体を励起することはできない。 このため5つの異なるマイクロ波周波数を発生させるソースを作成し、幅の広い ESR 信号に対応可能にした。 また試料を調整し、 P680+QA-対への Mn^2+の供給を行い、Mn^2+,P680+の信号を観測した。
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