研究概要 |
平成22年度は,まず,GPGPU用数値ライブラリ開発のための環境を構築するために,GPGPUを塔載した計算サーバーを購入し,OSおよび開発環境のインストールした上で,GPGPU計算に必要なCUDAに関する情報収集を行った ライブラリ開発の手始めとして,球面調和関数変換の中核部分であるルジャンドル陪関数変換の部分のCUDA化を行い,CPUでのFFT計算の部分と合わせてsjpack-cudaというライブラリを作成した.これは,既に開発していたCPUでの球面調和関数変換ライブラリsjpackとほぼ互換的に使えるライブラリで,利用者がCUDA開発環境に関する知識が無くとも利用できるように設計されれいる.sjpack-cudaでは,GPGPUを利用することにより,最速のCPU上1コアでのsjpackの計算に比べて,5倍程度の高速化を達成している.sjpack-cudaは,これまで研究代表者が開発してきたispackというライブラリの一部として,既にインターネット上のフリーソフトとして公開してある.ただ,研究初年度のプロトタイプ的な開発ということで,現在のsjpack-cudaはGPGPUとCPU間の通信コストおよびCPU上での計算のコストがまだ多く,GPGPUの性能を十分生かしきれていないため,更なるチューンアップが必要であり,それは平成23年度の課題である 以上のsjpack-cudaの開発経緯および実際に開発されたライブラリの構造や性能について,平成23年3月に行われた研究集会「地球流体データ解析・数値計算ワークショップ」において講演を行った
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