研究概要 |
平成24年度は, これまで最新の CPUに適合させて開発を進めてきた球面調和関数変換数値ライブラリについて, それを用いて実際の地球流体数値実験を行うためのサンプルプログラム等とともにコードを整理し, 英語によるインストールガイドなども新たに加えて ispack-1.0.0 としてインターネット上で公開した. さらに, 数値ライブラリの開発と並行して, スペクトル変換の数値ライブラリの応用して, 密度成層流体中で流れが地形を越える際に発生する波(山岳波)をスペクトル法で比較的容易に計算するための新しい手法の開発を行った. これは, 代用電荷法と呼ばれる偏微分方程式の計算手法のアイディアを応用したもので, 既存の手法に比べて実装が容易であり, 山岳波の数値実験を比較的低コストで行うことを可能にするもである. 以上の数値ライブラリの開発経緯および実際に開発されたライブラリの構造や性能について, 平成24年5月に行われた国際学会「Connections between Rotating, Stratified Turbulence and Climate: Theory, Observations, Experiments, and Models」で講演を行った. また, スペクトル法を用いた山岳波の新しい計算手法について, 平成24年8月に行われた「GFDセミナー2012」で講演を行った.
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