研究概要 |
本研究では、高度100km付近の超高層大気下端にある金属原子層にレーザーを照射して、遠隔地(距離100-200km)との光通信を行う発案をし、これまでの金属原子層の観測研究成果からその基礎設計をして、現有設備を活用して実証実験を行う。その伝搬特性を検討し、「新しい無線通信手段と超高層観測モニターシステム」が両立した通信・観測ネットワークシステムを提案することを目的とする。 1)変復調部の開発 半導体レーザー等CWレーザーを用いて超高層大気観測およびデータ通信を行うためのパルス変調方式を検討し、変調用の制御装置を設計して導入した。 2)送受信システムの制御 レーザービームの方向と受信望遠鏡の方向を正確に合わせ、かつ不要な干渉・雑音を最小にするための検討を、コロラド州立大学との協力で行った。またこめための受信望遠鏡とマウントを導入した。視野合わせの実験については別経費で準備中のレーザーの導入が遅れたため次年度の早い時期に実施する予定である。 3)総合試験と将来システム提案 将来システムの提案のための調査として、CWレーザーのバイスタティック送受により計測可能な物理量や精度の検討、可能なサイエンス課題等の調査検討を行った。課題2, 3については、コロラド州立大のShe教授が客員として国立極地研に滞在している間に集中的に展開して、予想以上に研究を進展することができた。これらの成果の一部はすでに論文投稿し、受理されている。以上のように本研究課題は課題により若干の進み遅れがあるが全体として順調に進展している。
|