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2010 年度 実績報告書

地球の水の起源と深部循環の解明に向けたNAMの水素同位体測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22654064
研究機関東北大学

研究代表者

中村 美千彦  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70260528)

研究分担者 宮城 磯治  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (90358119)
キーワード水素同位体 / Nominally Anhydrous Minerals / 金属 / 還元剤
研究概要

本研究では,従来の岩石鉱物試料中の水素同位体分析技術を再検討し,いわゆる無水鉱物中に100-1000ppmオーダーで含まれているごく少量の水の水素同位体組成分析を行う手法を開発する。それが可能となれば、地球深部に大量に含まれる水素の同位体組成に制約を与え、地球全体の水の起源に迫れる可能性がある。水の含有量(濃度)が低い試料では、局所分析による同位体分析は難しく、バルク分析の手法をとる必要がある。過去のバルク分析では、試料から抽出された水を還元して水素にする際に、還元剤としてウランが用いられてきたが、金属ウランの使用が困難になるとともに、様々な代替還元剤(金属亜鉛・クロム・マグネシウムなど)が試されてきた。しかし、ウランに代わる強力な還元力を持った還元剤は今日でも安定的に供給されておらず、特定の試薬製造者の特定のロットなどが慣習的に用いられる場合が多い。しかし、なぜその試薬のみで同位体分別が起こらずに還元できるのか、その仕組みは明らかにされていない。金属還元剤の中で、比較的低温での使用が可能な亜鉛は、石英ガラス管への水素の溶解や拡散散逸に伴う同位体分別が小さく有利であり、さらに試料管内で還元を行うZn-shot法は、固定還元炉に比べてライン全長を短くし、ブランクを最少にできるため少量の水試料の分析に適している。しかし還元試料管の体積を大きくすると、質量分析計に導入する際のデッドボリュームが増えてしまう。事前に真空中で亜鉛を高温加熱し、蒸発凝縮過程によって試料管内壁に蒸着する方法は表面積を増すには一定の効果があるものの、表面に露出した亜鉛のモル数は限られる。今年度、様々な実効的亜鉛/水比や温度条件・還元管形状を試すことによって、十分な還元力を得るためには、酸化膜内部から亜鉛蒸気が継続的に供給され、新鮮な金属表面が常に更新されることが本質的であることがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Chemically driven growth and resorption of bubbles in a multivolatile magmatic system2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura, S., M.Nakamura
    • 雑誌名

      Chemical Geology

      巻: 276 ページ: 18-28

    • 査読あり
  • [学会発表] 剪断変形実験による発泡珪長質マグマの緻密化2010

    • 著者名/発表者名
      藤岡拓真・奥村聡・中村美千彦・上杉健太朗
    • 学会等名
      日本火山学会秋季大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20101009-20101011
  • [学会発表] 日本のいくつかの火山におけるマグマの含水量とカリウム濃度の関係2010

    • 著者名/発表者名
      宮城磯治
    • 学会等名
      日本火山学会秋季大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20101009-20101011
  • [学会発表] 東北日本弧中部の第四紀火山活動におけるマグマ中のH2O量の水平変化2010

    • 著者名/発表者名
      宮城磯治
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20100523-20100528

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公開日: 2013-06-26  

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