研究課題/領域番号 |
22654070
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橘 邦英 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40027925)
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研究分担者 |
神野 雅文 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30274335)
本村 英樹 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80332831)
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キーワード | 反応性プラズマ / マイクロプラズマ / 遺伝子導入 / プラズマメディシン / COS細胞 / GFP遺伝子 |
研究概要 |
本年度は、まず細胞を培養したり観測したりできる実験環境を整備した。その上で、大気圧動作マイクロプラズマジェットのバンドルを装着し、細胞に照射できる遺伝子導入装置を組み立てた。その装置を用いて、COS細胞(アフリカ緑サル腎細胞)にGFP(緑色蛍光タンパク)遺伝子を導入する実験を試みた。回転している培養シャーレに対して照射条件(時間や照射距離)を系統的に変化させて、照射の約1日後の細胞の状態を蛍光顕微鏡で観測したところ、細胞内にGFPが導入されていることがわかり、明らかにプラズマ照射の効果があることがわかった。しかし、ジェットの直下では細胞が気流による乾燥や直接的なプラズマ照射の影響で死滅しており、走査軌跡の両脇の方で導入の確率が高くなっていることがわかった。ジェットによるプラズマ照射では、主として、プラズマから輸送されるイオンやラジカルの効果が大きいと思われるので、電界の効果を顕著にさせてその違いを見るために、高電圧超短パルス(サブμ秒)のパルスパワー電源を導入して、誘電体被覆の並行導線間でコロナ放電をさせる方式のマイクロプラズマ源を製作し、近接配置での照射を試みた。こちらの方式でも遺伝子導入が可能であることがわかった。しかし、まだ照射条件の最適化が十分にできていないので、両者のプラズマ源での照射効果の差異を定量的に論じるまでには至っていない。今後は、後者の方式の改良とともに、液中に電極を敷設した方式も試みて、遺伝子導入におけるイオンやラジカル種の効果と電界による効果を分離して、遺伝子導入のメカニズムを明らかにしていく計画である。
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