化学振動をスイッチングトリガーとして導入することで、光・熱・電気刺激など外部インプットが不要な自律的物性振動スイッチング材料の創出を達成した。具体的には、非線形化学振動のモデルであるpH振動をpH応答性ナノ粒子と組み合わせたことによる自律的光学物性スイッチングの発現に成功し、また、生体内非線形空間現象のモデルであるpH波をマイクロ流路内で発現させ、これを利用したナノ物質輸送などにも成功した。以上の一連の研究成果は、生体機能の一つである非線形現象を人工的システムに導入することで自律振動システムを構築することに成功したモデル系であり、今後の継続的な研究により更なる発展が期待できるものである。
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