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2010 年度 実績報告書

機能性遷移金属錯体の創製に基づく遠隔位炭素-水素結合活性化反応

研究課題

研究課題/領域番号 22655013
研究機関東京工業大学

研究代表者

岩澤 伸治  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40168563)

キーワードホウ素化反応 / イリジウム錯体 / 遠隔位炭素-水素結合活性化 / 機能性錯体 / メタ位選択的ホウ素化
研究概要

配位性官能基への遷移金属錯体の配位を利用して、その近傍に位置する炭素-水素結合を選択的に活性化する手法が注目を集めている。これに対し、手がかりとなる官能基から離れた特定の位置に存在する炭素-水素結合を選択的に活性化することは現在でも極めて困難である。本研究では炭素-水素結合の位置を識別し活性化することのできる新たな機能性金属錯体の創製を目指し研究を行った。具体的には、剛直なナフタレン骨格に反応部位としてエステルを介してフェニル基を、炭素-水素結合を活性化する遷移金属が配位する部位としてビピリジン部位を導入した基質を設計・合成し、イリジウム錯体による芳香族炭素-水素結合のメタ位選択的なホウ素化を試みた。
エステルカルボニル基から異なる炭素鎖数を介してフェニル基を反応部位として持つナフチル基の置換したビピリジン配位子を合成し、これをイリジウム錯体化しジボロンを用いる芳香族炭素-水素結合のホウ素化反応の検討を行ったところ、カルボニル基から二炭素あるいは四炭素隔てた位置にフェニル基を持つ基質では、収率あるいは選択性が低かったのに対し、三炭素隔てた位置にフェニル基を持つ基質において、フェニル基の炭素-水素結合がメタ位:パラ位=9:1の比率でホウ素化され、酸化処理後フェノール誘導体が21%の収率ながら得られることがわかった。通常、分子間ホウ素化反応ではメタ位とパラ位の炭素-水素結合は同等に反応することから、上記の反応結果は今回の分子設計が位置選択的炭素-水素活性化の実現に有効であることを示すものである。

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公開日: 2012-07-19  

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