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2011 年度 実績報告書

水/有機溶媒2相界面の特性を利用した新しい選択的アリル化触媒反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22655016
研究機関東京農工大学

研究代表者

小宮 三四郎  東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00111667)

キーワード水 / 二相系触媒 / パラジウム / 水溶性配位子 / 界面 / 撹拌 / 界面
研究概要

本年度は、触媒活性種であると考えられるπアリルパラジウム錯体をTPPTSを配位子として用い合成、単離し、撹枠による効果を確認した。酢酸パラジウムを天領としたときには、入手先は精製度合いにより、反応の速度に再現性がなかったり、誘導期間が見られたりしていた。これは活性中間体の生成にある程度時間がかかることを示唆していると考えられた。そこで活性種と考えれるπアリル錯体を別途合成単離しこれを用いて、ベンゼンチオールの1,1一時メチルアリルアルコールによるアリル化を二相系触媒反応条件下で行うと、再現性よく高撹搾状態で分岐体優先的なアリル化反応が進むことが明らかとなった。さらにこの反応では、界面活性税の添加、特にアニオン性の界面活性化剤が特段の分岐体選択性を向上することが明らかになった。この場合には、反応系がエマルジョン状態になっていることが確認されており、分岐体を生成すると思われる活性中間体の濃度が、界面活性剤によるミセルの生成によって増加したのではないかと推定した。いずれにしても、水/有機溶媒のまじりあわない界面において、有効な触媒活性種が生成していると考えることができる。しかしその構造や反応性については、直接的に見たり検討することが非常に難しく、現在のところ、解明には至ることができなかった。水/有機溶媒界面の状態を探るため、界面張力の測定を触媒がある揚合とない場合、イオン性または中性の錯体がある場合など比較検討するため、予備的な界面張力の測定を行ったが、その違いには有意な差が見られず、物理的な違いは見出すことはできなかった。今後は理論計算による推測も可能であるが、溶媒分子の取り扱いには未だ信頼性の高いものはなく、液液界面の物理化学的研究手法の発展がこのような異常な現象の解明できるようになることを期待したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Mixing Speed-Controlled Regioselective Allylation Catalyzed by Water-soluble Palladium (II) Complex in Water/Hexane Biphasic Media2011

    • 著者名/発表者名
      Sanshiro Komiya
    • 学会等名
      The 15th Japan-Korea Joint Symposium on Organometallic and Coordination Chemistry for Renewable Energy Research
    • 発表場所
      Cheju (Korea)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-07
  • [学会発表] 水中での有機金属反応と水/有機溶媒二相系触媒反応2011

    • 著者名/発表者名
      小宮三四郎
    • 学会等名
      第108回触媒討論会
    • 発表場所
      北見工大(北見)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] 撹伴により選択性が制御される水/ヘキサン二相系アリル化錯体触謀反応2011

    • 著者名/発表者名
      齊藤健史・小峰伸之・平野雅文・小宮三四郎
    • 学会等名
      第61回錯体化学討論会
    • 発表場所
      岡山理科大(岡山)
    • 年月日
      2011-09-18

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公開日: 2013-06-26  

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