研究概要 |
ナノギャップ電極はナノメータ間隔で隔てられた金属電極であり,その間に分子がちょうど挿入できる間隔となる。分子が挿入されると電極の電気的性質(導電性,電気容量)が変化するため,これを分析化学的に利用することが可能である。本研究の目的は,このナノギャップ電極の作製技術を確立し,分析化学的応用を考えることにある。 1)自己組織化ナノギャップ電極の性能評価 ナノギャップ電極が自己組織化により作製可能であることを見いだしたので,この手法を中心にして作製技術の確立を目指した。具体的にはナノギャップを有するナノ粒子アレイを長鎖チオールを用いて樹脂マイクロビーズ上に作製した。ギャップとなるチオールの長さを変化させてビーズの総抵抗の変化を考察したところ,炭素鎖の長いチオールではインターディジットな配向が認められた。これらの考察により,均一なナノ粒子アレイの作製を行うことが可能となった。また,この樹脂ビーズの熱測定(TG/MS測定)を行うことにより,ナノ粒子アレイの作製原理についての考察を行った。さらに,電気抵抗を評価することにより性能試験を行った。 2)ナノ接合の電気特性評価 ナノ接合が作製されているか,接合のDC導電性および電気容量の評価を行い,接合の特性を評価し,センサ作製のための基礎的データとして検討した。特に性能評価として機能的に検討するため,今年度はAC特性を中心に検討をさらに加えた。また,バイオ関連物質を存在させたときの電気抵抗の変化についても検討を行った。
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