研究概要 |
1. 助触媒のスクリーニングによる必要条件の抽出 トリフルオロアセトフェノンに類似した7種類のケトンの助触媒能について検討した結果,トリフルオロメチルアリルケトン骨格が必須であることが分かった。さらに,アリル基の微妙な電子密度の差が収率,cis/trans比,鏡像異性体過剰率に大きく影響を与えることを見出した。スクリーニングしたケトンの中では,4-メチルトリフルオロアセトフェノシが最も良い結果(収率60%,cis/trans比25:75,鏡像異性体過剰率94%,99%)を与えた。 2. 分光学的手法による反応中間体の同定 アキラルカルベン触媒とトリフルオロアセトフェノン助触媒を用い,FNMRによる反応中間体の同定を種々試みたが,残念ながら同定に至っていない。そこで,来年度まず生成物の絶対立体配置を決定して反応中間体を推定し,全体の反応機構を明らかにする予定である。
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