研究課題
1.内部アルキル置換ポルフィリンおよびN-混乱ポルフィリン(NCP)の合成とRe錯化カルベン炭素源としてポルフィリン内部のピロール窒素をメチル化した化合物を用いて金属錯化することを検討した。まず、置換位置の異なるN-メチル化N-混乱ポルフィリン及び通常ポルフィリン誘導体(NCP:3種類、通常ポルフィリン:1種類)を合成し、Re試薬と反応させたところ、高収率でカルベンNCPからはカルベン型錯体が得られた。しかし、ポルフィリンからは一般的なレニウム錯体が得られたのみであった。単結晶X線構造解析の結果、環内部に【5.6.5】のフューズ環が形成され、メチル基由来炭素がレニウムとカルベン的に結合していることが明らかとなった。一方、反応溶媒をルヂジンに変え、高温下で錯化を試みたところ、外周部メゾアリール環にルチジンがフューズしたレニウム錯体が得られた。2.カルベン錯体の反応性の検討これまでN-フューズポルフィリンレニウムオキソ錯体で成功したピリジンN-オキシドのトリフェニルポスフィンへの酸素移動反応を上記レニウム錯体で検討したところ、同様な酸素移動反応が協奏触媒的に進行することが判明した。N-混乱ポルフィリンレニウム錯体をモデル化合物に用いた反応機構の解析検討の結果、環内部のレニウムと内部炭素の両方に架橋した酸素が酸素移動反応に直接関与していることが明らかとなり、新規触媒として有用であることがわかった、
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