本研究の目的は、独自の環状構造を有するDNAを塩基選択的に金属化することで負の屈折率を持った物質であるメタマテリアルを自己組織化的に作製することである。これまでミリ波や赤外線を対象にしたメタマテリアルが作られてきたが、微細加工限界のため可視光に対して負の屈折率を持つ構造は作れなかった。本提案では酵素合成した環状二重らせんDNAを部分的に金属化することで、理論的に可視光に負の屈折率を持つと予測されるsinglesplit-ringresonators(SSRRs)のサイズを制御して作製できる技術を確立することをめざし、poly(dG)・poly(dC)に結合したシスプラチンの還元によるプラチナナノワイヤーの作製手法を基本にして金属ナノギャップを作製した。これによりメタマテリアルを作製する要素技術を確立した。
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