研究概要 |
本研究では、太陽エネルギーと半導体を用いてCO_2から糖の合成を行う手法の開発を行う。光化学反応を用いてCO_2を還元しホルムアルデヒド(H_2CHO)やメチルアルゴニル(CH_3OH)を合成する手法はすでに開発されている。ホルムアルデヒドから糖を合成を、植物の光合成再現ではなく、半導体上の光反応で実現することを目的としている。ホルムアルデヒド重合にはホルムアルデヒド陽および陰イオンが必要であり、酸化還元反応を促進する材料探索を行う。22年度は様々なバンドギャップを有する材料を作成した。 作成した材料は、GaN,ZnO,NiOである。バンドギャップエネルギーは全て3eV以上である。GaNはMBE法で成長した。電子濃度10^<17>~10^<20>cm^<-3>まで変化させた試料を用意した。また、反応種との相互作用を強くすることを期待して励起状態の寿命がマイクロ秒オーダであるErやEuの希土類を添加したGaNの成長を行った。希土類添加により欠陥が増加する一方、希土類にトラップされるキャリア密度が多くなることを明らかにした。今後これら希土類濃度と酸化還元割合を調べることにより希土類の有効性を明らかにする。ZnO,NiOはスパッタ法で作成した。ZnOはAl添加により電子濃度10^<14>cm^<-3>~10^<20>cm^<-3>まで、NiOはNa添加によりホール濃度10^<14>cm^<-3>~10^<17>cm^<-3>までのキャリア濃度制御を達成した。p-nヘテロ接合の形成は界面のバッファ層が重要となるため、まずはショットキー型の接合を用いてホルムアルデヒドの重合を検討する。 重水素ランプ、キセノンランプを光源とする光照射系の装置を組み上げ、光照射実験の準備を整えた。
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