研究課題
近接場超音波ホログラフィー(SNFUH)法の実現により、超音波探傷を行うにあたり、多探針AFMにおけるレーザ光学系を最適化し、変位検出系の変位換算ノイズを10fm/rtHz程度にまで低減し、検出帯域を2MHz程度にまで高めた。また、ホリイミド基板上に分散・堆積した金微粒子上に、フォトポリマー薄膜を塗布した試料を対象に、SNFUH法ならびに超音波AFM(UFM)法により、表面下約1マイクロメートルの深さに存在する金属微粒子を可視化することに成功した。また、圧電素子により超音波試料を発生させる方法では、圧電素子とカンチレバーの機械的結合の周波数特性にスプリアスピークが多く含まれ、SNFUH法およびUFM法における可視化メカニズムの解明にあたって問題となることが分かったため、強度変調レーザを用いた光熱励振系によってカンチレバーを励振することで、理想的な周波数特性が得られることに成功した。さらに、ばね定数が異なるカンチレバーを用いた金微粒子のSNFUH像やUFM像のコントラストを比較し、評価する系の弾性率によって最適なカンチレバーを選択する必要性を明らかにした。一方、真空中や液中でも動作する2探針AFMを開発し、これを用いて有機薄膜の局所電気特性評価に成功した。これらの成果により、SNFUH法またはUFM法を用いて表面下構造を可視化する、超音波ナノスケール探傷法の実現に向けた要素技術が確立された。
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Review of Scientific Instruments
巻: 82 ページ: 33708/1-033708/
10.1063/1.3534830