研究概要 |
自作した三源マグネトロンスパッタリング装置のスパッタガン二基を用いて100nm厚バイレイヤーを持つAl/Ni多層膜を成膜し,Sn-3.5wt%Agはんだを成膜したSiチップを真空中で瞬間接着する技術を開発した.接着時には2枚のチップ表面から加圧が必要であり,平行度を出すことが重要であった.また,Al/Ni多層膜の発熱反応時に12%程度体積収縮が生じ,反応後のNiAl内にはクラックが生成する.複数点同時に反応開始点を設けることで,クラックの生成メカニズムの解明に着手した.その結果,自己伝播する複数の反応が衝突するところに,大きなクラックが生成されることがわかった. 一方,直径100nmのAl粒子表面にNiを無電解鍍金で堆積させる技術の開発を始めた.Al粒子表面には3.5nm程度の自然酸化膜が存在していることをTEMで確認した.それを酸性の溶液でエッチングした後にジンケート処理でZrを析出させ,Niと置換させることで,Al表面にNiを堆積させた.作製したAlNiナノ粒子を用いて発熱反応を試みた結果,多層膜と同じように,発熱反応を生じることを確認した.
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