研究概要 |
本研究では、誘電体バリア放電による空気プラズマ流を発生させる管内での微粒子や液滴の撹拌、搬送および反応特性の基礎実験として、管内に誘電体バリア放電を発生させるDBDプラズマチューブを製作し、流動下でプラズマ生成実験を行い、高電圧印加時における基礎放電特性やオゾン濃度生成特性、管内での微粒子搬送挙動と液滴浄化特性を明らかにした。得られた結論を以下に要約する。 (1)平成22年度の改良版として、微粒子やマイクロ液滴表面の浄化も想定して、管内壁面に微小スケールのメッシュ型電極空間を有したDBDプラズマチューブを新たに試作した。作動気体が空気の場合、消費電力が2W程度でもDBD放電が可能で、ミストを流すと消費電力は、約3~5倍に増加した。酸化力の強い汚れの浄化作用のあるオゾンの発生量は、印加電圧に対して直線的に増加し、また、高い印加周波数に対しても増加し、印加電圧V_<pp>=12kV、印加周波数f=1,500Hzで、最大150ppmのオゾンが発生した。また、オゾン生成効率は、V_<pp>=8kV、f=500Hzで最大値を示した。 (2)数ミクロン程度のメチレンブルー液滴をDBDプラズマチューブ内に流動させた場合、管内に発生したオゾンと液滴界面反応により、一度の処理でほぼ脱色分解することを確認した。500Hz~1,500Hzの周波数で、印加電圧が6kVの場合、単位エネルギーあたりの分解効率が最大となり、流動液滴の分解量が小さくとも管内に液滴が流動状態下で放電可能な投入エネルギーを極力小さくすることが重要である。
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