研究概要 |
1.端面燃焼実験装置によるバイオ原料由来固体燃料の基本燃焼特性 直径48mm(長さは任意)の円柱状固体燃料を順次繰り出し、その端面に対向して高温予熱空気を供給することで、端面を連続的に燃焼させる装置を構築した。供給空気温度、空気流速を主な実験変数として、端面の基本的な燃焼特性を取得するととともに、燃料内部の一次元的な温度分布を測定した。この結果、燃焼用空気の条件により、燃焼開始には2つの形態、すなわち(1)燃料表面から離れた位置で火炎を伴って着火が生じる場合、(2)燃料の表面が赤熱する表面燃焼から開始する場合、の存在することがわかった。後者の形態に対し、内部の温度分布を測定したところ、燃料に対向して供給される空気の温度条件によっては、内部の温度分布が時間的に変化しない定常に近い状況が現れることがわかった。また、質量減少率も取得し、端面のみを定常的に燃焼させうることがわかった。これらの成果は、日本機械学会英文論文集にて発表したほか、ASME-JSME合同会議(Honolulu,USA)において発表した。 2.数値計算モデルの構築と熱分解特性値の取得 燃焼現象を模擬する一次元数値計算モデルを構築した。また、この計算の最も重要な要素である固相内部の熱分解パラメータの取得を試みた。この結果、対象としたバイオ原料由来固体燃料に関しては水分放出および揮発分放出をそれぞれ別々にアレニウス型反応として与えることが現象を模擬するうえで効果的であることを示した。現在この結果を用いて定常一次元燃焼を与える解が存在するかどうかについて検討を進めている。
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