研究概要 |
昨年度製作した実験装置を用いて,本年度は提案する計測方法の原理確認をおこなうために速度計測実験をおこなった.その結果,検出光の周波数と速度の間に相関がみられ,製作した実験装置により並進速度の計測が実現できる可能性を示した. しかしながら,速度の検出原理の検証のために,スローライトを用いず,同様の実験装置で速度計測実験をおこなったところ,同様の実験結果が得られた.したがって,本実験装置では,提案する原理とは違う原理で速度が検出されている可能性があることを示した. 一方,上記の実験装置では,レーザー光源が1軸ステージの外にあり,光源と速度検出系の間に相対運動が発生する構成となっている.そのため,上記実験で検出された検出光の周波数の変化が速度ではなく相対変位によるものである可能性がある。そこで,レーザー光源をアルゴンレーザーから半導体レーザーに変更し,スローライトの発生に必要な光学系を除去することで,1軸ステージ上に速度計測実験装置を構築し,速度計測実験をおこなった.実験の結果,上記実験と同様の実験結果が得られたことから,上記実験で検出された検出光の周波数変化が相対変位によるものではないことを確認した. 以上の結果から,本研究では以下の結論を得た. ・本研究で構築した光学系により,並進速度の計測が実現できる可能性を示した. ・本実験において,当初提案していたスローライトに基づく原理とは違う原理で速度が検出されていることを明らかにした.したがって,速度の検出原理の再検討が今後の課題であることを示した.
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