研究課題
【研究の目的】本研究は、多チャンネル型機能的電気刺激(Multichannel FES)を用いてヒトの運動学習を促進する運動技能支援システムの実現を目的とする。提案手法の最大の特徴は、特定部位の皮膚表面(数ヵ所)に電極を付着するだけで、手軽に運動タスクに応じた身体操作法の直接補助を受けられる点にある。従来、経験を積んだインストラクターや理学療法士によって、手取り足取り行われてきた運動教示や運動補助と等価な機能を低コストな電気刺激システムとして実現することにより、スキルコーチングやリハビリテーションへの革新的展開が期待できる。【研究の成果】今年度の研究成果は、大きく以下の2点である。1.複数筋群への電気刺激と生成運動の関係性の明確化複数筋群への電気刺激(入力)と生成される身体運動(出力)の入出力ペアを解析することで、筋拮抗比・筋活性度の新概念に基づく身体の運動制御モデルを構築した。また、本概念に基づく筋骨格ロボットの運動制御モデルとのアナロジーも明確となり、ヒトとロボットを共通の概念で考察できる可能性が示唆された。これらの成果は学会発表の形でまとめられている。2.多チャンネル型機能的電気刺激によるヒトの運動技能支援構築した身体運動制御モデルに基づき、上肢複数筋群をFBS制御することにより、ユーザの複数筋群を互いに協調させながら肘関節を制御することに成功した。ここでは、関節角度と関節剛性を自在にコントロールでき、ユーザに所望の運動を実現させることができる。本成果により、提案手法のリハビリテーション、スキルコーチングへの応用可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
日本ロボット学会誌
巻: vol.30,no.4(未定)(印刷中)
Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
巻: vol.15,no.8 ページ: 980-987
知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌)
巻: vol.24,no.1 ページ: 536-544
doi:10.3156/jsoft.24.536
計測自動制御学会論文集
巻: vol.47,no.10 ページ: 485-492
http://robotics.me.es.osaka-u.ac.jp/MiyazakiLab/