研究分担者 |
木村 繁男 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (70272953)
清水 宣明 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (50019634)
上野 敏幸 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (30338256)
柿川 真紀子 金沢大学, 環日本海環域境研究センター, 助教 (10359713)
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研究概要 |
本研究は,一般的な電磁アクチュエータとは異なる巨大な応力の発生できる超磁歪アクチュエータで構成したキャビテーション発生装置を用い,キャビテーションによるパルスパワー,酸化チタン添加によるラジカルによる酸化分解作用により,ウイルス・大腸菌を不活性化・殺菌することを目的とした。まず,キャビテーションによるパルスパワーならびにラジカルの発生を実験的に精査し,細菌やウイルスの殺菌・不活性化について実験的に確認した。また,浄化対象液を循環させながら処理する機構を考案し,その装置を用いたウイルス・大腸菌の不活性化・殺菌評価を行った。最後に,自然水として河川の水に対する菌類等について評価試験を行い,良好な結果を得た。以下に,結論を列記する。 (1)循環型キャビテーション発生装置により,駆動時間に依存したウイルスの存在数の減少がみられ,駆動時間180分後には駆動時間0分のウイルス数と比べ,87%のウイルスを不活性化することができた。 (2)同様に,大腸菌の生菌数の減少がみられ,駆動時間180分後には40%の大腸菌を殺菌することができた。 (3)浄化対象液をキャビテーション発生装置に循環させることにより,2.5lのウイルス・大腸菌溶液を処理することができ,非循環型の装置と比べ,浄化対象液の量が5倍となってもウイルス・大腸菌の不活性化・殺菌ができた。 (4)大腸菌殺菌効果に関して,TiO_2励起から発生するラジカルにより,大腸菌の細胞膜が破壊され,中のDNA,RNAが流出していることを確認できた。 (5)自然環境の水として河川の水に対する菌類等(菌,ウイルス,カビ類)について評価試験を行い,実験室モデルの大腸菌,ウイルスより良い結果が得られ,30分間の振動印加により93%の静菌数の減少を確認した。
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