研究課題
本研究の目的は、我々の研究グループで実績のある磁気光学材料、ビスマス鉄ガーネット(Bi_3Fe_5O_<12>:BIG)を用いて、mVレベルで動作する極低電圧光スイッチを実現することである。フォトニック結晶の光学バンドギャップ付近で光速が遅くなることを利用して大きな磁気光学効果を発現させこれを達成する。研究課題は以下の3項目である。(1)磁気光学材料フォトニック結晶光導波路の設計および作製技術の確立、(2)磁気光学材料フォトニック結晶共振器の作製技術の確立、(3)磁場印加フォトニック結晶光スイッチの作製技術の確立。平成22年度では、上記の内、磁気光学材料フォトニック結晶を用いた線欠陥光導波路の設計および光特性シミュレーションを行った。また、磁気光学材料結晶を形成する技術を開発した。磁気光学材料としては、磁気光学係数が大きく、我々の研究実績のあるBIGを採用した。現有の光デバイスシミュレータ(アポロ社Photonic Solutions Suite)では計算能力が不十分なため、新たに高機能なシミュレータ(日本アールソフトデザイングループ(株)のFULLWAVE及びBANDSOLVE)を購入(別予算にて)し、これを用いてフォトニック結晶線欠陥導波路の光特性シミュレーションを行った。その結果を用いて線欠陥光導波路の設計を行った。製作・加工技術については、STO基板上に高品質なBIG薄膜をスパッタ法により650℃で形成する技術を開発した。
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電子情報通信学会技術研究報告IEICE Technical Report
巻: CPM2010-128, ICD2010-87 ページ: 25-30