研究課題/領域番号 |
22656093
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
圓福 敬二 九州大学, 超電導システム科学研究センター, 教授 (20150493)
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研究分担者 |
吉田 敬 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (30380588)
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キーワード | SQUID / 高温超伝導 / ピコボルトメータ / 磁気センサ / 冷却銅検出コイル / センサシステム |
研究概要 |
高感度なセンサシステムの実現のためには、センサからのピコボルトレベルの微小信号を高精度に測定できる電圧計が必須となる。このような高感度電圧計はこれまで実現しておらず、その結果、超高感度センサシステムの性能はセンサ本来の性能ではなく電圧計の雑音によって制限されているのが現状である。このため、本研究では、超高感度センサシステムに必要な10pV/Hz^<1/2>程度の感度を持つSQUIDピコボルトメータの開発を目的とした。このために必要な(1)高温超伝導SQUID素子の高性能化と効率的な信号結合法の開発を行い、(2)ピコボルトメータをセンサシステムへと適用した。得られた結果の概要な以下の通りである。 (1)ピコボルトメータとしての性能はSQUID素子の雑音とセンサからの信号をSQUID素子へ伝達する信号結合率に大きく依存する。このため.素子を高品質化して泰子雑音を低減した。また信号の結合率を大きくするため、2nHの大きな相互インダクタンスを有する磁気結合回路を開発した。これにより、10pV/Hz^<1/2>程度の雑音電圧を持つSQUIDピコボルトメマタを開発した。 (2)SQUIDコボルトメータと液体窒素温度に冷却した銅検出コイルを用いた磁気センサシステムを試作した。この際、高周波帯でのコイル抵抗の増加がセンサの性能を劣化させるため、この抵抗増加を防止することが重要となる。このため、コイルの渦電流損により抵抗増加が発生していることを明らかにし、この問題を解決するためには検出コイルをリッツ線で作製することが有効であることを示した。検出コイルに共振用のコンデンサを挿入した共振型の磁気センサの場合には、20kHz以上の周波数帯で1fT/Hz^<1/2>程度の磁界雑音を持つ高感度センサの開発が可能なことを示した。
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