研究概要 |
本研究では,近年,我が国でもしばしば被害を発生させているダウンバーストについて,その内部の風速分布特性やダウンバースト内におかれた構造物に作用する風圧・風力の特性を明らかにするため,ダウンバーストシミュレータを試作し,それを用いた実験に基づき,ダウンバーストに対する構造物の風荷重評価法を提案することを目的としている。なお,ここでいうシミュレータとは物理的装置としてのシミュレータと数値モデルの両方を指している。平成22年度は,ダウンバーストおよびそれによる構造物被害の特性を明らかにすること,並びに,シミュレータを試作するための基礎資料を収集することを目的に,まず,気象学および風工学分野における既往の文献調査,我が国の突風災害データベースの作成を行った。次に,国内外の類似施設(具体的には,東京工芸大学,カナダ・ウェスタンオンタリオ大学,米国・アイオワ州立大学)の視察を行い,装置の開発に当っての留意点など,貴重な知見を得た。それらの成果に基づき,一定速度で移動できるダウンバーストシミュレータの基本設計を行い,次年度に予定しているダウンバーストシミュレータの試作の準備を行った。また,数値シミュレーションを行うための準備(汎用ソフトウェアのインストール,乱流モデルや境界条件の検討など)を行った。
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