研究概要 |
まず,北海道および東北地方における突風(竜巻;ダウンバーストなど),並びに,それによる強風被害に関するデータベースを作成した。このデータベースには,1950年代からのデータが含まれている。このデータベースを用いた解析,並びに,平成22年度に行った文献調査に基づき,実際に発生する竜巻やダウンバーストの特徴を明らかにした。 次に,そのような特性(特に,ダウンバーストによる吹き出し風速やダウンバーストの移動速度,並びに,ダウンバースト内の風速分布)を再現するためのダウンバーストシミュレータの設計と製作(製作は外注)を行った。設計に当っては,平成22年度に行った海外学術調査の成果が活かされている。設計図に基づき送風機を試作し,吹き出し風の風速分布を風速計で測定したところ,風速分布が軸対称になっていないことが判明したので,その原因を追究し(主としてモーターの取付け位置が原因であった),装置の改良を行った。その結果,風速分布は概ね軸対称となり,得られる風速分布が概ね設計通りであることが確認された。装置の改良に時間を要したため,研究スケジュールが遅れてしまったため,研究期間内に建物の縮尺模型を用いた風力測定までには至らなかった。
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