研究課題/領域番号 |
22656119
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三橋 博三 東北大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (90091751)
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研究分担者 |
西脇 智哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60400529)
桐越 一紀 東北大学, 大学院・工学研究科, 技術専門職員 (60240660)
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キーワード | マイクロカプセル / 水和反応 / 収縮低減剤 / 性能制御 / 自己収縮 / 自己収縮 / 徐放性 / ポリ乳酸 |
研究概要 |
コンクリート工学において生じている問題を解決する方法として、新しい様々な化学混和材料が次々と開発され、その重要性が益々大きくなっている。しかしながら、個々の混和材料は優れていても、同時に組み合わせて用いることでその効果が必ずしも生きてこないものとか、最初から混入して反応させるために無駄の多いもの等もある。それらの中には、マイクロカプセル化技術の応用によって解決できそうなものもある。 本研究では、高性能減水剤と収縮低減剤を同時に使用すると起こる化学的不安定性を解決する方法の一つとして利用できるマイクロカプセルを開発することを具体的な課題の一例として取り上げている。即ち、高強度化に際して発生するコンクリートの自己収縮を抑制するために、常温下では収縮低減剤がゆっくりと作用する一方で、コンクリート温度が高くなると、直接的に作用するようなマイクロカプセルの設計・製作手法の確立に取り組んだ。特に常温下での「徐放性」を制御するための材料としてポリ乳酸及びPVA繊維に着目し、凍結粉砕機によりそれぞれの繊維を粉末化して、傾動式造粒機を用いパラフィン及び粉末状の収縮低減剤と混ぜ合わせることによってマイクロカプセルを試作した。このマイクロカプセルを水溶液中に溶解させ、時間ごとにどの程度収縮低減剤が溶け出しているかを計測し、溶け出す割合と時間の関係を明らかにし、それぞれのカプセルの「徐放性」を明らかにした。これによると、収縮低減剤を被覆するコーティング層の厚さを変化させることで、それぞれのカプセルの「徐放性」をコントール可能であることがわかってきた。また、コーティング層に石灰などを添加することで、マイクロカプセルの強度が増加し、練り混ぜ中に破損するカプセルの割合を低下させることが可能であることが明らかになった。
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