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2011 年度 実績報告書

多孔質材料中の音波の屈折現象の検証と軽量2重壁への多孔質材挿入効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22656122
研究機関新潟大学

研究代表者

岩瀬 昭雄  新潟大学, 自然科学系, 教授 (30114391)

キーワード多孔質材料 / 音響屈折 / 軽量2重壁 / グラスウール / コインシデンス効果
研究概要

音波の伝搬速度が空気中よりも遅いグラスウールやロックウールで代表される多孔質材料へ音波が斜め入射した場合には音波屈折が予想されるが、これまで検証例がなく、軽量2重壁への多孔質材挿入効果の定性的定量的モデルも確立されていない。この状況に対し、一軸指向感度特性を有する粒子速度センサーを利用して実態解明することを研究の目的とした。
空気中から積層したグラスウールへ音波を入射させ、粒子速度センサーの指向感度を水平・垂直の直交2方向に向けて音響観測して屈折現象の生じることを確認してきた。ただし、屈折後の音波が透過側板材料に生じるコインシデンス効果やグラスウール付加による減衰の影響を正確には把握できなかった。屈折で垂直に近づく伝搬でもコインシデンス周波数の移動の有無について確証が得られない原因は、代表的な石こうボードのコインシデンス効果のピーク周波数が鋭くないと判断し、本年度は顕著に振動励振されるガラス板を対象に変更した。水平配置のガラス板上の強く励振される周波数を質量負荷が無視できるレーザー振動計を用いて把握する実験を行った。この結果、4mmガラス板に音波が水平入射した場合、理論コインシデンス周波数の2880Hzに対して、3100Hzに励振振動が観測され、さらにガラス前面をグラスウールで覆うと3500Hzに励振振動が移り20dB程度の振動の減衰低下が観測された。これは、グラスウールの複素伝搬定数の観測値から屈折角やその角度方向での伝搬減衰値を推定した結果と概ね対応する。すなわち、グラスウールを透過後にコインシデンス周波数はやや高周波数側に、付加搬減衰は屈折後の斜透過方向の減衰と推定できると示唆された。以上によりコインシデンス効果による遮音低下は多孔質材料の挿入により抑制され、見掛け上の遮音性能向上効果も加わる様に推測される。これらの考察から軽量2重壁の定量的モデルの構築が期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 複層ガラスにおけるガラス面上の振動応答の観測について2012

    • 著者名/発表者名
      堀口祐太、岩瀬昭雄
    • 学会等名
      日本音響学会騒音振動研究会
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2012-02-23
  • [学会発表] グラスウール中の音響伝搬の離散音源による観測と軽量2重壁への挿入効果の検討2011

    • 著者名/発表者名
      岩瀬昭雄
    • 学会等名
      日本音響学会秋季研究発表会
    • 年月日
      2011-09-21
  • [備考]

    • URL

      http://iwase-lab.eng.niigata-u.ac.jp/index.html

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2019-05-09  

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