研究課題
室内の「乾燥」が人体に及ぼす条件を明らかにし、建築環境設計や衛生管理に資するため、特に、皮膚や粘膜の水分率や乾燥感の実態と、その実態を形成する要因・メカニズムを、ヒトを対象とした調査・測定、及び数値解析により明らかにすることが本研究の目的である。昨年度の検討に引き続き、現場測定と被験者実験の両面から、低湿度条件下における人体表面(皮膚および粘膜)における水分移動を記述するモデルの構築を行った。(1)皮膚の水分率変動の測定:皮膚含水率の変化を連続的に計測し、周辺の温湿度環境との関連を検討し、皮膚含水率の変動と関連の深いパラメーターを抽出した。(2)皮膚における熱水分移動モデルの妥当性検討:熱水分同時移動方程式を皮膚角層に適用したモデルによる計算結果と、昨年度までに行った皮膚含水率分布の実験結果を比較した。皮膚の平衡含水率曲線および湿気伝導率を適切に設定することにより、計算・実験結果が一致することを示した。(3)眼球の表面温度変化と瞬きの関係:眼球表面温度を連続的に測定し、瞬きによる温度変化特性を把握した。瞬き時に温度が上昇することが示された。また、瞬き時に眼を閉じている時間が状況により異なる可能性が示唆された。(4)気道内熱水分移動モデルの妥当性検討:気道内の温湿度分布を測定した他研究者の実験(文献データ)と、本研究で提案しているモデルの出力値を比較し、モデルの妥当性を検討した。昨年度までに提案してきた円筒モデルに、鼻腔内の表面積拡大という修正を加えることで、鼻腔内温湿度(呼出時、吸入時とも)の実験値がよく再現されることを示した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Building Physics
巻: 36(4) ページ: 422-437
10.1177/1744259112473951
Proceedings of the 5th international Building Physics Conference (IBPC), Kyoto, Japan
巻: 5 ページ: 939-944