研究概要 |
本研究では、写真計測により柱鉄筋を円柱とみなして3次元モデル化し、鉄筋径・間隔を手計測による実測値と比較することで計測精度を検証した。また、作成されたモデルから配筋検査への応用として、柱鉄筋が型枠内で回転してもかぶり厚さが確保できるよう、スペーサーが適切に配置されているか確認する手法を提案した。 実証実験では主筋12本(D19,D22,D25)とフープ筋18本(D10,D13,D16)、さらに振れ止め筋を配置した幅0.45m、高さ1.8mの模擬柱鉄筋(以下柱鉄筋)を作成し、これを計測の対象とした。使用したカメラは市販のデジタル一眼レフカメラである。 上記の実験の計測から作成した3次元モデルに基づいて、鉄筋径及び鉄筋間隔を測定した。鉄筋径は円柱モデルの半径を読み取った。鉄筋間隔は計測箇所の円柱モデルの中心軸を最短距離となる線分で結び、線分の長さを読み取った。そして、3次元モデルから計測精度を把握するために、ノギスを使用して測定した実測値と、モデルから上記の方法で取得した測定値を比較した。 本実験の結果、写真計測を用いた柱鉄筋の測定方法を示し、鉄筋を円柱とみなし3次元モデルの作成を行うことが可能であることを明らかにした。また、計測精度を実測値と比較し検証を行った結果、その精度は、±3mm程度であり、スケールを用いた計測結果と変わらないことが判った。さらに、作成された3次元モデルから、型枠内で鉄筋が回転してもかぶり厚さが確保できるよう、スペーサーが適切に配置されているか確認することが出来ることを明らかにした。
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