研究課題/領域番号 |
22656146
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中平 敦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90172387)
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研究分担者 |
杉村 順夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20273542)
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キーワード | クワ / 無機 / 微細構 / ナノ材料創製 / 環境 |
研究概要 |
水耕栽培を利用してクワ葉に存在するcell wall sac内にCaが蓄積した無機固体を分離・回収し、その構造解析をX線回折(XRD)、透過型電顕(TEM)、X線光電子分光(XPS)、X線吸収微細構造(XAFS)にて進め、期間内での効率的な評価解析アプローチを確立した。(担当:中平敦) クワの水耕栽培技術の確立を目指し、実用的な観点を考慮し、これまでの土壌を利用した重金属耐性植物に関する研究と異なり、水耕栽培したクワ若木を用いる実験を進め、その確立を進めた。クワ類の水耕栽培事例は極めて少ないので、果樹などで開発された水耕培養組成を基に、発芽苗から若木になるまで水耕栽培を利用して栽培できることを確認し、試料を回収できた。(担当:杉村順夫) 次いで、各種試料について、XRD、FT-IR、XAFS、ラマン分光評価を進めた。さらに構造評価を走査型電子顕微鏡(SEM)並びに透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水耕栽培したクワ若木を用いる実験を進め、その確立を進めた。その結果、水耕栽培を利用してクワ葉に存在するcell wall sac内にCaが蓄積した無機固体を分離・回収し、その構造解析を試み、当初の予定通り、それらの構造評価が順調に進展しているので、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
水耕栽培を利用してクワ科などの植物を用いて種々の結晶構造(アモルファス、結晶性)を持つCaCO3ナノ粒子を合成が順調に進んでいるので、そのナノ微細構造を解明し更に合成メカニズムを放射光施設にて解明することを計画している。これにより、植物プロセスを利用したナノ材料創製の解明が可能となると期待され、最終的には常温、常圧下での環境低負荷なプロセスでかつCO2固定技術を開発する技術となるように進める。また、加えてCa以外の金属イオンの蓄積機構へと展開する事で、有価金属(重金属、希土類元素など)の捕集を進め、本研究の総括を進める。
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