研究課題/領域番号 |
22656157
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
井上 博史 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00213174)
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研究分担者 |
樋口 栄次 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80402022)
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キーワード | アンモニアポラン / 電解酸化 / 脱水素 / n型シリコン / 拡散係数 / 水素製造 / 光電気化学酸化 / 再生可能エネルギー |
研究概要 |
本年度得られた結果をまとめると以下の通りである。 1.アンモニアボラン(AB)の0.5 M LiClO_4/メタノール溶液中でのサイクリックボルタモグラム(CV)を測定し、5~20mVs^<-1>の走査速度(v)でのCVにおいて-0.2Vvs-Ag/AgCl付近からABの酸化電流が流れ、アノードピーク電流(i_p)とν^<1/2>が直線関係を示すことがわかった。また、ABのメタノール電解液中での拡散係数を求めると約1×10^<-4>cm^2s^<-1>になった。また、0.1Vs^<-1>以上の走査速度でのCVには、0.1V付近に新たなレドックス反応のショルダーが観察された。これらの結果を基に、ABの電気化学的酸化反応の機構として、NH_3BH^+_2カチオン中間体を経由する機構を提案した。また、いくつかの電位において定電位電解したとき、正電位側ほど水素生成速度ならびに水素生成量は増大した。また、陽極での水素生成反応の電流効率が100%を大幅に超えることがわかり、電気化学反応以外に化学的な過程(メタノリシス反応)が関与していることが示唆された。 2.n-Si単結晶を用いて、可視光を吸収することにより生成したホールでABの酸化的脱水素反応が進行するかどうかを光照射時と暗時における電流-電位曲線を比較することにより調べた。その結果、明確な光電流が観測されなかったことから、n-Si単結晶はABの酸化に対して触媒活性を示さず、ABはn-Si単結晶の正孔捕捉剤として機能しないことがわかった。
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