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2011 年度 実績報告書

粉末積層レーザフォーミングによる次世代Ti合金の医療用デバイスへの挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22656169
研究機関九州大学

研究代表者

三浦 秀士  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30117254)

研究分担者 津守 不二夫  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10343237)
キーワードTi合金粉末 / レーザフォーミング / 医療用デバイス / 粉末積層 / 緻密複雑形状
研究概要

レーザによる粉末積層焼結技術(レーザフォーミング)を工業的に有用な技術とするためには,緻密化も含めた直接製品化(ネットシェイプ)ならびにオーダーメイドのものづくりへの展開が望まれ,特に医療用の高度複雑形状部品への適用は期待されている.本研究では難加工材として知られるTi系(Ti-6Al-4V及びVが生体適合性に不利であることからVをNbに換えたTi-6Al-7Nb)について,まず成形体の緻密化の向上に関する検討を粉末冶金学的見地から行い,レーザの出力,周波数,走査速度などのレーザ照射条件(含雰囲気)の最適化を行う.ついで,粉末同士の焼結に伴う収縮・変形挙動の解折による寸法精度の向上や,雰囲気制御による高性能・多機能化の組み込み,さらには生体適合性などの検討を加えるもので,平成23年度で得られた結果は以下の通りである.
まず六角形の孔を有するハニカム構造の圧縮試験片(Ti-6Al-7Nb)について,1辺の長さを変化させて作製した.CADデータ上の六角形の1辺の長さが600,500,400μmのとき孔の直径はそれぞれ700,500,300μm程であった.なお試験片の密度測定と圧縮試験(試験片のx,y方向とz方向)を行った結果,孔径が大きくなると密度,強度が低下することが確認できた.特にCAD上の1辺の長さ600μmのハニカム構造体では,圧縮強度68-302MPa,密度2.18g/cm^3という,人の大腿骨の強度(21-170MPa)ならびに密度(2.00g/cm^3)とほぼ同等の値を得ることができた.次に骨芽細胞を播種した培養初期段階では六角形に配向しながら細胞が伸展し,21日経過後では細胞が積み重なり細孔内部へと伸展する様子が観察された.なお,直径300μmの細孔では外周部に近い部分で架橋が観察され,中心部ではそのような成長の様子は見られないことから,より小さい細孔サイズにすることで,細孔全域に渡ってネットワークを形成し,より細孔内部への成長が促進されるものと考えられ,レーザフォーミングによる医療用デバイスの創製に有効な智見を得た.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 金属粉末レーザ積層法によるテーラメイドのTi造形物の実現2012

    • 著者名/発表者名
      三浦秀士
    • 雑誌名

      チタンと歯科臨床

      巻: 第10巻 ページ: 26-30

  • [学会発表] レーザーフォーミング法によるチタン合金部材の高密度・高精度化2011

    • 著者名/発表者名
      三浦秀士
    • 学会等名
      平成23年度秋季大会(社)粉体粉末冶金協会
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター(大阪)
    • 年月日
      2011-10-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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