水素会合性のポリアクリル酸を用いた水系でのカルボン酸基の水素結合体形成を赤外分光法を用いたポリマー系凝縮系でのその場観察を、超音波を照射しながら観測した。そのためには、現有の28、45、100、500KHz周波数の超音波反応装置を利用し、音波場内の色素の吸光分析をその場で行なうために、レーザー光を利用した高精度CCDレーザー変位計(設備備品)計測を行なった。これにより、超音波による水素結合制御とそれに伴う色素系の色調変化を観察できた。 また両親媒性アゾ系ポリマー色素の合成から実施したが、ベンゼン環の2位の位置にカルボン酸基が付加したアゾベンゼン色素の合成はうまくゆかなかった。種々検討した結果、両親媒性とするのは溶媒内での立体障害のためアゾ化カップリング反応が進まないことが解った。そこで、アゾベンゼン基の水素会合による色素配向性を持たせるためアクリル酸との相互作用状態を形成させ、次年度以降、ソノクロミズムの検討を実施する予定である。
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