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2011 年度 実績報告書

機能性核酸導入細胞転写技術を用いた癌細胞浸潤性評価チップの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22656189
研究機関東京大学

研究代表者

長棟 輝行  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)

キーワード癌 / 細胞アレイ / 浸潤 / 機能性核酸 / 細胞転写
研究概要

悪性化した癌は、組織内を「浸潤」して血管内に到達後、全身に転移して患者の命を奪う。従って、浸潤抑制法の確立が癌治療における喫緊の課題である。近年、癌の浸潤に多くの遺伝子が関与することが報告されており、対象とする癌細胞ごとにその浸潤を効果的に抑制するためのターゲット遺伝子を絞り込む技術が必要である。そこで、本研究では、様々なcDNAプラスミドやsiRNAを導入した癌細胞のアレイをコラーゲンシート上に転写し、シート上での浸潤を網羅的に解析するための技術の開発を行った。
H22年度までに、PEG脂質表面に固定化した細胞に核酸をリバーストランスフェクションしながらコラーゲンゲルシート上に転写する技術を確立したので、H23年度はこの技術を用いて癌細胞の浸潤性評価系の構築を試みた。浸潤に関わる遺伝子に対するsiRNAを導入した細胞のアレイをコラーゲンゲル上に転写後、コラーゲンゲルで包埋し、三次元コラーゲンゲル内での各細胞スポットの拡がりを指標にその浸潤性を評価した。具体的には、浸潤・転移性が広く報告されているヒト線維腫細胞HT1080株をモデル細胞とし、種々の濃度で3種類のsiRNAを導入し、6~24時間後の細胞スポットの直径の変化を画像解析により求めた。その結果、HT1080の浸潤を抑制することが報告されているマトリックス金属プロテアーゼ(MMP9)に対するsiRNAの導入によってスポットの拡がりが著しく抑制され、一方、効果が無いことが知られているMMP1に対するsiRNAでは未処理の細胞と同程度のスポットの拡大が確認された。これより、今回開発した手法によって浸潤性の評価が可能であることが示された。さらに、細胞の遊走に関わるパキシリンに対するsiRNAの導入によって浸潤が抑制されることが明らかになり、本手法が浸潤抑制剤のスクリーニングに応用できる可能性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cell transfer printing from patterned poly (ethylene glycol)-oleyl surfaces to biological hydrogels for rapid and efficient cell micropatterning2011

    • 著者名/発表者名
      T.Takano, et al
    • 雑誌名

      Biotechnology and Bioengineering

      巻: 109 ページ: 244-251

    • DOI

      10.1002/bit.23284

    • 査読あり
  • [学会発表] 癌浸潤性評価のためのゲル包埋型siRNAスクリーニング細胞マイクロアレイの開発2012

    • 著者名/発表者名
      小宮世乃吏
    • 学会等名
      化学工学会第77年会
    • 発表場所
      工学院大学、東京
    • 年月日
      2012-03-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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