研究課題/領域番号 |
22656190
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
池袋 一典 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70251494)
|
研究分担者 |
秦 健一郎 国立成育医療研究センター研究所, 周産期病態研究部, 部長 (60360335)
|
キーワード | DNAのメチル化 / Znフィンガー蛋白質 / メチル化頻度解析 / 簡易迅速検出 / メチル化CpG / メチル化DNA結合蛋白質 |
研究概要 |
本研究は、メチル化DNA結合蛋白質(MBD)と、Znフィンガー蛋白質(Zif)融合ルシフェラーゼを用いてDNAのメチル化頻度の簡便な解析法を開発することを目的とする。DNAのメチル化は、発生・分化過程や細胞のがん化過程において、様々な蛋白質の発現調節を行っていることが知られており、標的遺伝子のメチル化頻度を調べることは医学の基礎研究及び診断において極めて重要である。これまでメチル化頻度の簡便な解析法は、一本鎖DNAのメチル化CpGを認識する抗体を用いた方法しか無く、一本鎖DNAの調製が必須なので簡便とはいえない。これを二本鎖DNAのメチル化CpGを認識するMBDと二本鎖DNAを塩基配列特異的に認識するZifを用いることによりゲノムDNAの煩雑な処理過程を省いた、簡便かつ汎用性のあるメチル化頻度解析方法が開発できる。 本年度は下記の項目について研究を遂行した。 1)Zif-ルシフェラーゼとMBD固定化ビーズを用いて、標的遺伝子領域のメチル化頻度解析方法を開発した。 2)調製したZif-ルシフェラーゼを用いて前立腺がん化に関わるアンドロジェンレセプター遺伝子領域等のメチル化を解析した。 1)についてメチル化DNA結合蛋白質としてMBD1、2、3やMeCP2などの蛋白質が知られており、それぞれの蛋白質は既に単離・精製され、これらを用いたメチル化DNA検出方法も報告されている。そこでMBDなどのメチル化DNA結合タンパク質を磁気ビーズに固定化し、ゲノムDNAを超音波処理や制限酵素処理等により断片化した後これらの断片を回収し、PCRによって増幅した。そしてこれをZif-ルシフェラーゼと結合させることで発光検出し、メチル化を検出できる事を確認した。
|