研究課題
C重油とジメチルエーテル(DME)を用いた2種類の混合燃料、A重油とDMEに硫黄化合物を添加した4種類の混合燃料からPMを採取し、化学分析および生物試験を実施した。1)PMの排出量: C重油をベースとした場合には60-160mg/kWhであり、C重油の30%をDMEとすると1例を除いて減少した。A重油をベースとした場合のPM排出量は30-80mg/kWhであり、硫黄を5%添加しても有意に増加せず、A重油の30%をDMEとするとエンジン負荷率が高いと顕著に減少したが、これに5%硫黄を添加しても顕著に増加しなかった。2)PMに吸着するアニオン: 超純水にPG60フィルターを入れて超音波処理すると、硝酸イオンの生成は認められなかったが、亜硝酸イオンが生成した。そこで、振とう抽出した水試料は遠心分離により除粒子し、硫酸イオン濃度はフィルターに含まれる量を差し引いて定量した。C重油をベースとした際のPM重量当たりの硫酸イオンは7-15%であった。キロワット時当りの硫酸イオンは4-20mg/kWhで、PMの6-13%を占めた。C重油の30%をDMEとすると、硫酸イオン濃度には、1例を除いて変化は認められなかった。A重油をベースにした際のPM重量当たりの硫酸イオンは8-12%であり、硫黄を添加すると9.9-22%に増加した。キロワット時当りの硫酸イオンは4-6mg/kWhであり、PMの7-13%であり、これに硫黄を添加するとPMの10-18%を占めた。3)PMに吸着する有害成分: C重油およびA重油をベースにしたPM粗抽出物の第2及び第3画分には、重油の種類に関わらず変異原性が認められた。これらの画分の化学発光検出によるLCクロマトグラムには共通の複数のピークが認められたが、11種類の標準ニトロPAHとは一致しなかった。いずれの試料も、海産発光細菌に対する阻害は弱かった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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