研究概要 |
固相に吸着した金属の溶出には強酸(硝酸・塩酸・硫酸)が使われるのが一般的であり、これは金属の陽イオンと強酸中のプロトンが交換することで達成される。しかし、強酸を使用することのデメリットとして、処理システムの耐酸性仕様化に伴う高コスト化、選択性の低下がある。また、窒素を含む溶媒の排出に関しては、瀬戸内海法に代表されるように、総量規制が始まり、窒素を有しない溶媒の利用が求められている。そこで、強酸を使用しない温和な条件下での分離回収システムを構築することを目的とした実験を実施した。その結果、いくつかのレアメタルについて選択的に回収出来ることが判明した。さらに、その精製度を高めることに成功した。吸着・溶離メカニズムを誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)、発光分析装置(ICP-AES)、X線分光装置-(XRF,XRD,XPS),核磁気共鳴分析装置フーリエ変換赤外分光法FTIR、紫外可視分光光度計UV-vis、X線吸収微細構造(XAFS)分析により解析中である。
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