研究課題
TS-4実験における動的ダイバータ実験はプラズモイド放出制御実験に進み、設置した内部コイル群の電流を最適化して、放出されるプラズモイドのサイズ、粒子数、放出間隔の制御が一定範囲で可能になった。同時に新展開として核融合科学研究所の協力によって高精度の2次元MHDシミュレーションによってダイバータ動作を模擬できるようになり、双方で原理実証を行なうことができた。TS-4球状トカマク実験では、プラズモイド測定用に新設した2次元磁気プローブ列で計測しつつ、切り離しコイル、ダイバータコイル、平衡磁場コイル、センターソレノイドコイルの配置と電流を最適化して、(A)トカマクプラズマを安定に保ったまま、プラズモイドを成長させ、(B)トカマクから切り離し、(C)ダイバータコイルへ連結させることに成功した。プラズモイドのサイズ・粒子数はコイル配置で決まり、現状で0.1msec程度である放出間隔は切り離しコイル電流のリンギング周期で決まる。次にコイル電流のリンギングを抑制し、センターソレノイドコイルによる電流駆動効果のみでプラズモイド成長・放出を制御する実験を行い、平衡磁場分布の調整により、現在、1回の放出ならば自発的な放出が可能になった。現状では、主プラズマの粒子排出の20%程度を放出プラズモイドが媒介しているが、トカマク上下のX点付近で交互にプラズモイド放出を繰り返せば、全粒子排出をプラズモイドが媒介でき、排出プラズマをプラズモイドで輸送中にアルゴンガスパフや不純物ペレット入射により、ダイバータ板への熱負荷を一桁抑制する見通しが得られた。成果はIAEA Fusion Energy Conference 2012の日本代表論文のポストデッドラインに採用された他、ヨーロッパ物理学会の基調講演などの招待講演にもなり、従来天文分野に限定されていたプラズモイドがダイバータ研究として認知されたといえる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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