この研究では、植物油のエステル交換反応によるバイオディーゼル燃料製造プロセスにおいて、液中放電と超音波場を相乗させるという革新的な反応場を導入し、高速・高効率で廃棄物の少ないバイオディーゼル製造プロセスの開発を試みたものである。3年間の研究の結果、超音波照射のみでも反応促進が確認された固体アルカリ触媒を用いた合成法において、アルゴンを液中に導入しながら液中放電を行った場合に、反応速度のさらなる上昇が見られ、液中放電と超音波照射の相乗効果が確認された。これらの結果から、液中放電と超音波場が相乗する反応場は、次世代のバイオディーゼル製造プロセスとなる可能性を秘め、さらにこの場はプラズマを導入した新しい反応場として、プラズマ化学分野の発展や液相反応の広範囲な応用展開につながると考えられた。
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