研究課題/領域番号 |
22657008
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
久保田 康裕 琉球大学, 理学部, 准教授 (50295234)
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研究分担者 |
村上 正志 千葉大学, 理学研究科, 准教授 (50312400)
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連携研究者 |
島谷 健一郎 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70332129)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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キーワード | 生物多様性 / 生物地理学 / 群集生態学 |
研究概要 |
本研究では、生物群集の中立理論を階層的に拡張し、ニッチ理論を取込んだ統合理論を構築する方法論を検討した。ここでの統合理論とは、実データに対応した尤度関数で記述され、現実の群集集合パターン(種数や種アバンダンス)を予測する統計モデルを意味する。具体的には、空間版コアレセント理論であるネイマン・スコット点過程モデルを空間の環境変異を考慮した非定常ネイマン・スコット点過程モデルに拡張し、環境傾度に伴う分散パターンの変異を定量できるようにした。生態学では、環境傾度に応じた種の棲み分けをニッチ分化と定義し、それに基づく多種共存仮説が提唱されてきた。非定常ネイマン・スコット点過程モデルは、環境傾度に伴うニッチ効果と、確率的な分散効果の相対的重要性を、モデル選択を通して定量することができ、ニッチ理論と中立理論を統一的に評価できる枠組みになる可能性があることがわかった。さらに、本研究では、生物群集の種多様性維持機構を、生物地理学、マクロ生態学の視点からも分析し、中立理論が群集生態学に取り込んだ、マクロ進化プロセスを統合した研究アプローチについても検討した。
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